TORUTEブログ

M&Aは安く済ませられる?~1000万円以下の少額案件でかかる費用と『安い会社』の見極め方~

2026/08/20 08:45|カテゴリー:M&A

M&Aは安く済ませられる?~1000万円以下の少額案件でかかる費用と『安い会社』の見極め方~

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。

「M&Aは費用が高そうだから、うちのような規模では無理ではないか」「安く買える会社があると聞いたが、本当に大丈夫なのか」。少額案件のご相談では、買い手側からこうしたお声をよくいただきます。譲渡価格が数百万円という案件が実際に流通する一方で、価格の安さだけを見て進めた結果、あとから想定外の負担が出てくることもあります。今回は、1000万円以下の少額案件を念頭に、譲渡価格以外にかかる費用と、「安い会社」を見極めるときの視点を整理します。

「M&Aが安い」には2つの意味がある

まず整理したいのは、「安い」という言葉が指しているものです。ひとつは譲渡価格そのものが安いこと。もうひとつはM&Aを進めるためにかかる費用(手数料や調査費用)を抑えることです。この2つは別の話で、対策も異なります。譲渡価格が数百万円でも、進め方によっては手続きにかかる費用のほうが大きくなることがあります。逆に、価格が相場より明らかに安い案件は、その理由を確認しないまま進めると、買った後に負担が表面化する場合があります。

少額案件でも、譲渡価格以外に費用はかかる

見落とされやすいのが、譲渡価格とは別に発生する費用です。仲介会社やアドバイザーへの手数料には最低手数料が設定されていることが多く、譲渡価格が小さいほど、価格に対する費用の割合は大きくなります。マッチングサイトを使う場合も、成約時の手数料体系を事前に確認しておく必要があります。

少額M&Aで譲渡価格以外にかかる主な費用

「価格100万円だから総額100万円」ではありません。案件を検討する段階で、総額でいくらかかるのかを見積もっておくことが、資金計画のうえでも大切です。

「安い会社」には必ず理由がある

価格が低く設定されている背景には、赤字が続いている、社長個人に依存していて引き継ぎが難しい、設備が老朽化している、主要取引先が1社に偏っている、といった事情があります。これ自体は珍しいことではなく、買い手の資源と組み合わせれば伸びる会社もあります。問題は、価格に反映されていない負担が隠れている場合です。未払残業代、簿外の債務や保証、係争中の案件、必要な許認可が承継できない形になっているといった点は、後から金額に直結します。売り手に悪意がなく、単に整理されていないだけというケースも実務では少なくありません。

費用を抑えつつ、失敗を避けるための進め方

費用を抑える方向と、リスクを確認する方向は、必ずしも対立しません。調査(デューデリジェンス)は規模に応じて論点を絞ることができ、少額案件では、簿外債務・労務・許認可・契約の承継といった「金額に跳ね返る項目」に的を絞るだけでも実効性があります。また、株式譲渡ではなく事業譲渡の形をとることで、引き継ぐ範囲を限定できる場合もあります。どのスキームが適するかは、許認可の種類や取引先との契約内容によって変わりますので、案件ごとの検討が必要です。あわせて、事業承継・M&A補助金の専門家活用枠など、専門家費用の一部を補助する制度が使えないかも確認する価値があります。ただし対象要件や公募時期は変わりますので、必ず最新の公募要領をご確認ください。

まとめ

少額案件のM&Aは、価格が小さいぶん「手軽なもの」と見られがちですが、確認すべき論点は規模が大きい案件と大きく変わりません。譲渡価格に加えて手数料や調査費用を含めた総額で判断すること、そして価格が安い理由を確認したうえで納得して進めることが、結果的に一番の費用対効果につながります。個別の事情によって適切な進め方は異なりますので、判断に迷う点は専門家にご相談ください。

TORUTEでは、熊本市・八代市を中心に、少額案件を含む事業承継・M&Aのご相談を承っています。「この案件をどう見ればよいか」「総額でいくらかかるのか」といった段階のご相談でも構いません。お気軽にご相談ください。