TORUTEブログ
2026年8月
債務超過でも会社は残せる?~熊本の相談現場で見る、再生型M&Aとスポンサー型で事業をつなぐ方法~
2026/08/18 08:53|カテゴリー:M&A

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。「借入が資産を上回っていて、もう会社をたたむしかないのだろうか」——決算書の純資産がマイナスになったとき、多くの経営者がそう考えます。債務超過は、経営者にとって最も重くのしかかる現実のひとつです。しかし、債務超過であることと、会社の事業に価値がないことは、まったく別の話です。本稿では、債務超過の状態から事業を残す「再生型M&A」「スポンサー型」の仕組みを、熊本の相談現場の感覚を交えて整理します。
結論:債務超過でも「事業」は残せる
結論から申し上げると、債務超過の会社であっても、事業そのものに収益力や取引先・技術・人材といった価値があれば、第三者に引き継ぐことは十分に可能です。ポイントは、会社という「器」ごと引き継ぐのではなく、価値のある事業だけを切り出してスポンサー企業へ移し、過大な債務は別途整理するという発想に切り替えることです。これが再生型M&A(スポンサー型)の基本的な考え方です。買い手にとっても、債務を引き受けずに事業と人材を獲得できるため、通常のM&Aでは成立しにくい案件が動くことがあります。
再生型M&A(スポンサー型)の進み方

実務では、おおむね次の流れで進みます。まず現状を正確に把握し、事業の収益力と債務の全体像を分けて整理します。次に、残すべき事業と整理すべき部分を切り分けた再生計画を立て、その計画を前提にスポンサー候補を探します。スポンサーが決まれば、事業譲渡や会社分割によって事業を移し、残った旧会社は清算などで整理していきます。いわゆる第二会社方式と呼ばれる手法もこの延長線上にあります。どの手法が適するかは、債務の内容、金融機関との関係、事業の切り出しやすさによって変わるため、個別事情により異なります。
私的整理と法的整理、そして経営者保証
債務の整理には、裁判所を使わずに金融機関等との話し合いで進める私的整理と、民事再生などの法的整理があります。私的整理は取引先に知られにくく事業への影響を抑えやすい一方、対象となる債権者全員の同意が必要です。法的整理は強制力がある反面、公になることで取引が縮小するリスクを伴います。中小企業活性化協議会などの公的な枠組みや再生ファンドを活用できる場合もあります。また、経営者個人が背負う保証債務については、経営者保証に関するガイドラインに沿って、一定の要件のもとで残存資産を残しつつ整理できる余地があります。ただし要件や運用は事案ごとに判断されるため、必ず専門家にご確認ください。
いちばん大切なのは「早く相談すること」
熊本での相談を通じて痛感するのは、相談のタイミングが結果を大きく左右するということです。手元資金が尽きる直前になってから動き出すと、スポンサーを探す時間も、条件を整える時間も残っていません。逆に、資金繰りに不安を感じた段階、あるいは債務超過が見え始めた段階でご相談いただければ、再生・M&A・廃業という選択肢を並べて比較する余裕が生まれます。従業員の雇用や取引先との関係を守れるかどうかも、この時間的な余裕にかかっています。
まとめ
債務超過は会社の終わりを意味するものではありません。事業に価値があるなら、再生型M&A・スポンサー型によって事業と雇用を次につなぐ道があります。もっとも、どの手法を選べるかは債務の内容や金融機関との関係、事業の状況によって大きく変わり、制度の運用も事案ごとに異なります。判断を急ぐ前に、まずは現状を整理することから始めてください。TORUTEでは熊本市・八代市を中心に、事業再生や再生型M&Aのご相談を承っております。「まだ相談する段階ではないかもしれない」という段階こそ選択肢が多く残っています。お気軽にご相談ください。
100万円で買える会社は本当にある?~スモールM&Aと1000万円以下の少額案件の実態と注意点~
2026/08/16 10:29|カテゴリー:M&A

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。「100万円で買える会社なんて本当にあるの?」「うちのような小さな会社でも売れるのだろうか」——最近、こうしたご相談が増えています。今回は、1,000万円以下、なかには100万円前後で取引される「少額案件(スモールM&A)」の実態と、売り手・買い手が押さえておきたい注意点を整理します。
結論:100万円以下の少額M&Aは実際に存在する
結論からお伝えすると、数十万円〜100万円程度、あるいは「0円譲渡」といった少額のM&Aは実際に行われています。近年はマッチングサイトの普及で、小規模な事業でも買い手と出会いやすくなりました。「会社の値段=資産の大きさ」というイメージが強いかもしれませんが、少額案件では、価格よりも「事業を止めずに引き継ぐこと」自体に価値が置かれるケースが多いのが特徴です。
なぜ100万円以下で会社が売買されるのか

少額で取引される背景には、いくつかの共通した事情があります。第一に、後継者不在で「このままでは廃業」という状況を避けたい売り手が、価格よりも従業員の雇用や取引先との関係の存続を優先するケース。第二に、会社が小規模・赤字であっても、顧客基盤・許認可・技術・立地など「ゼロから作ると時間がかかるもの」に買い手が価値を見いだすケースです。廃業には在庫処分や原状回復などの費用がかかることもあり、「少額でも引き継いでもらえるなら」と考える経営者も少なくありません。
売り手・買い手それぞれのメリット
売り手にとっては、廃業コストをかけずに事業と雇用を残せること、そして長年築いた看板を次に託せることが大きな意味を持ちます。買い手にとっては、少ない資金で既存の事業・顧客・ノウハウを一度に得られ、独立・新規参入のスピードを大きく縮められる点が魅力です。個人が「小さな会社を買って経営者になる」という選択肢も、少額案件だからこそ現実的になります。
少額でも必ず押さえたい注意点
価格が小さいからといって、確認を省略してよいわけではありません。むしろ少額案件ほど、簿外債務(帳簿に載っていない借入や保証)、未払いの税金・社会保険料、取引先や従業員との契約の引き継ぎといった点を丁寧に確認することが重要です。価格が安い会社にはそれなりの理由が隠れていることもあります。譲渡の方法(株式譲渡か事業譲渡か)によって引き継ぐ範囲やリスクが変わるため、契約書の内容も含め、規模が小さくても専門家のチェックを受けることをおすすめします。
まとめ~少額案件こそ「相手選び」と「確認」が肝心~
1,000万円以下、100万円前後の少額M&Aは、後継者問題を抱える小規模事業にとって現実的な選択肢になっています。ただし、金額の大小にかかわらず、相手をよく見極め、引き継ぐ中身を確認することが成功の分かれ目です。個別の事情によって最適な進め方は変わりますので、判断に迷われたときは専門家にご相談ください。TORUTEでは、熊本市・八代市を中心に、少額案件を含む事業承継・M&A・財務コンサルティングをサポートしています。「小さな会社だから」とあきらめる前に、どうぞお気軽にご相談ください。
これから危ない企業に共通する特徴とは?~熊本の相談現場で見る、決算書で確認したい5つの危険信号~
2026/08/15 10:26|カテゴリー:事業承継

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。
「これから危ない企業」と検索される経営者の方から、最近こんなご相談をいただきます。「うちは赤字ではないが、このまま続けて大丈夫だろうか」「取引先が危ないという噂を聞いた。見分ける方法はあるのか」。危ないかどうかを決めるのは、景気や業界の評判ではなく、自社の数字と人の状態です。今回は熊本の中小企業の経営者に向けて、危険信号をどこで確認するか、そして信号が出ていたときに何ができるかを、相談現場の視点でお伝えします。
「これから危ない企業」は、赤字になる前に兆候が出ている
結論からお伝えすると、経営が行き詰まる会社の多くは、赤字に転落するより前に兆候が表れています。私たちが熊本でご相談をお受けしていて感じるのは、決算書上は黒字でも、資金繰り・取引構成・人の面ですでに危うさを抱えている会社が少なくないということです。逆に言えば、決算書と社内の状態を定点で確認していれば、まだ打ち手が残っている段階で気づけます。「危ない企業かどうか」は、業績が悪化してから判断するものではなく、悪化する前に見つけるものだとお考えください。
決算書と社内で確認したい5つの危険信号

具体的に、私たちが会社の状態を見るときに必ず確認している項目が5つあります。専門的な分析の前に、経営者ご自身で確認できるものばかりです。
1つ目は手元資金の厚みです。現預金が月商の1か月分を下回る状態が続いていれば、突発的な支出に耐えられません。2つ目は借入金の返済年数。借入残高を年間の利益と減価償却費の合計で割ったとき、10年を大きく超えるようであれば、返済が事業の重荷になっています。3つ目は売上の偏りです。特定の取引先に売上の3割以上を依存していると、その一社の方針転換で経営が揺らぎます。4つ目は社長への依存度。受注も見積りも金融機関との交渉も社長でなければ回らない状態は、社長が倒れた瞬間に事業が止まるということです。そして5つ目が後継者の有無。60代を超えて後継者が決まっていない会社は、業績にかかわらず時間の制約を抱えています。
信号が出ている会社ほど、選べる道は早く狭まる
ここが最も重要な点です。危険信号が出ている会社ほど、時間の経過とともに選択肢が減っていきます。手元資金がある段階なら、金融機関との条件見直し、事業の絞り込み、後継者の育成、M&Aによる譲渡と、複数の道から選べます。ところが資金が細り、債務超過に陥ってからでは、買い手候補が現れにくくなり、実質的に廃業しか残らないという場面も出てきます。熊本でも「もう少し早くご相談いただいていれば」と感じるケースは少なくありません。危ないと感じた時点が、実は最も選択肢が多いタイミングなのです。
熊本の経営者が、いまから始められること
まずは直近3期分の決算書を並べ、先ほどの5つの項目がどう推移しているかを確認してください。1年ごとの数字では見えない傾向が、3期並べると見えてきます。そのうえで、改善で立て直せるのか、他社との統合や譲渡を視野に入れるべきなのかを整理します。判断に迷う場合は、顧問税理士や商工会議所、熊本県事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的窓口も活用できます。なお、支援制度や補助金の内容は年度や公募回によって変わりますので、利用を検討される際は必ず最新の公募要領をご確認いただき、具体的な適用可否は専門家にご相談ください。
まとめ
「これから危ない企業」かどうかは、業界の評判ではなく、手元資金・借入返済年数・売上の偏り・社長依存・後継者の有無という5つの信号に表れます。そして信号が出ている会社ほど、選べる道は早く狭まります。数字を並べて確認し、まだ選択肢があるうちに方向を決めることが、会社と従業員を守ることにつながります。
TORUTEは熊本市・八代市を中心に、県内の中小企業の事業承継・M&A・財務のご相談をお受けしています。「うちは大丈夫だろうか」という段階のご相談こそ、打ち手が最も多く残っています。現状の整理からで構いませんので、お気軽にご相談ください。
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