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給与は後回しにできる?~資金繰りが苦しいとき、再生の相談現場で見る支払いの優先順位~

2026/10/06 09:11|カテゴリー:M&A、事業再生・廃業

給与は後回しにできる?

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。

資金繰りが厳しくなったとき、「仕入先への支払いは待ってもらえても、従業員の給与だけは遅らせられない」と感じる経営者は多いと思います。一方で、「まず給与を払い続けるべきか、それとも銀行返済を優先するべきか」と迷われる方も少なくありません。今回は、再生の相談現場でよくご質問をいただく、給与・社会保険料・退職金の優先順位と、事業を残すための考え方を整理します。

資金繰りを相談する経営者と従業員

給与の遅れは「後回し」にしてよい支払いではありません

取引先への買掛金や金融機関への返済は、相談して条件を見直せる余地があります。一方、従業員の給与は労働基準法により毎月1回以上、全額を支払う義務があり、「資金繰りが苦しいから」という理由で遅らせることは原則として認められていません。

また、実務上も給与の遅れは従業員の不安に直結し、退職が相次いで事業そのものが回らなくなる原因になります。再生は事業を続けることが前提ですから、現場の人が辞めてしまう状況は、買い手や支援者を探すうえでも大きなマイナスです。

資金が足りなくなりそうな場合は、遅れが出てから動くのではなく、「あと何か月、給与を払える現金があるか」を早めに数字で把握することが出発点になります。

社会保険料・税金・退職金はどう考えるか

支払いの考え方4つ

給与と並んで悩みやすいのが、社会保険料や源泉所得税など、預かり金に近い性質のものです。これらは滞納が続くと延滞金が加算され、差押えに進むこともあります。ただし、早めに年金事務所や税務署へ事情を説明し、分割納付などの猶予を相談できる場合もあります。放置せず、窓口に先に連絡することが大切です。

退職金は、就業規則や退職金規程の内容によって扱いが変わります。社内の積立がない場合、まとまった資金が必要になる点が負担になりがちです。再生型M&Aでは、退職金債務を買い手へどう引き継ぐか、あるいは別の形で整理するかが、条件交渉の重要な論点になります。

こうした支払いの優先順位は、会社の状況や契約内容により異なります。個別の判断は、必ず弁護士・税理士などの専門家にご確認ください。

万が一のときの国の制度と、事業を残す選択肢

会社が倒産し、給与や退職金が払えないまま退職となった場合には、一定の要件のもとで国が未払賃金の一部を立て替える「未払賃金立替払制度」があります。対象となる条件や立替額には上限や期間の定めがあるため、詳細は最新の案内をご確認ください。ただし、これは最後のセーフティネットであり、従業員の生活や会社の信用を考えれば、そこへ至る前の対応が重要です。

事業に価値が残っているなら、会社を畳む前に、事業譲渡や再生型M&Aで雇用ごと引き継いでもらう方法もあります。買い手が従業員を引き継ぐことで、給与の支払いが続き、現場の信頼も守りやすくなります。熊本の相談現場でも、「廃業を考えていたが、事業だけを引き継いでもらえた」というご相談は少なくありません。

具体的な進め方は、資金の残り期間、債務の内容、買い手候補の有無によって大きく変わります。

まとめ

給与は後回しにできない支払いであり、社会保険料や税金も放置せず窓口へ早めに相談することが重要です。そのうえで、事業に価値があるなら、再生型M&Aで雇用ごと引き継ぐ道も検討できます。判断が難しい点は、専門家にご相談ください。

熊本市・八代市で、資金繰りや従業員の給与の支払いに不安がある経営者の方は、手遅れになる前にお気軽にご相談ください。

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