TORUTEブログ
資金繰り・融資
代位弁済されたら会社は終わり?~信用保証協会・サービサーへの対応で整理したい4つのこと~
2026/10/13 12:50|カテゴリー:M&A、資金繰り・融資

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。「信用保証協会から代位弁済の通知が届きました。もう会社は終わりでしょうか」。熊本市や八代市でのご相談で、その封筒を握ったまま来られる社長は少なくありません。結論から申し上げると、代位弁済は返済が止まったことを示す手続きであって、事業の終わりを決める手続きではありません。ここから何を決めるかで、残せるものが変わってきます。今回は、代位弁済の通知が届いた後に整理したい4つのことを、相談現場で実際にお聞きする順番で並べてみます。

代位弁済は「借金が消えた」ことではありません
代位弁済とは、信用保証協会の保証が付いた融資の返済が続けられなくなったときに、保証協会が金融機関へ代わりに支払う手続きです。金融機関への返済はそこで終わりますが、会社の債務そのものは消えません。保証協会が会社と保証人に対して支払いを求める権利(求償権)を持つことになり、以後の相手が金融機関から保証協会へ移ります。実際のご相談でも、「銀行からの督促が止まったので一段落したと思っていた」と、数か月そのままにされていた例があります。まず着手したいのは、どの借入が代位弁済されたのか、残高はいくらか、保証人は誰になっているのかを一覧にすることです。相手と金額が見えないまま考え込んでいる時間が、いちばんもったいないところです。
一括請求の通知が届いても、返済の相談はできます
通知には、期限の利益を失ったので残額を一括で支払うように、という趣旨の文言が入ることが多く、ここで気持ちが折れてしまう社長が多くおられます。ただ実務では、事業や収入の状況を資料で示したうえで、分割による返済について相談する余地があります。大切なのは、連絡を取ること、そして今の資金繰りを数字で説明することです。無理のある金額で約束してすぐ止まってしまうほうが、かえって信頼を失います。具体的な条件や可否は個別の事情によって変わりますので、保証協会の窓口と、あわせて専門家にご相談ください。返済条件の見直しという意味では、銀行にリスケを申し込むとどうなる?で整理した考え方と重なる部分があります。
債権がサービサーに移ったら、相手と書面を確認する
時間が経つと、債権が債権回収会社(サービサー)へ譲渡されることがあります。交渉の相手が変わり、一部を支払って残りを整理するという提案が示される場面もあります。ここで確認したいのは三点です。提案してきた会社が正式に債権を持っている相手なのか、支払った後に残りの債務がどう扱われるのか、そして合意の内容が書面になっているのか。口頭のやり取りだけで入金してしまうと、後から話が食い違ったときに守るものがありません。郵便物や提案書は捨てずに保管し、判断の前に資料を持って専門家にご相談ください。
「払い方」と「事業をどうするか」は同時に決める
代位弁済の段階では、返済の話と事業の話を切り離せません。事業そのものに利益が出る見込みがあるなら再生を前提に債務を整理し、見込みが薄いなら廃業や第三者への譲渡まで含めて考えます。社長個人の保証については、経営者保証に関するガイドラインに沿った整理の中で、手元に残せる資産について協議できる場合があります。詳しくは会社を整理すると社長の個人保証はどうなる?をご覧ください。どちらに進むかの見極め方は再生か廃業か、どこで見極める?でも整理しています。制度の要件や取扱いは最新の運用をご確認いただき、判断の前に専門家にご相談ください。
まとめ

代位弁済の通知は、終わりの宣告ではなく、相手と金額が確定したという区切りです。残高と保証人を一覧にし、連絡を取って返済の相談をし、相手が変わったら書面で確認する。そのうえで、事業を続けるのか譲るのかを同時に決めていきます。熊本市・八代市でご相談をお受けしていて感じるのは、動き出した社長のほうが選べる道が多いということです。TORUTEでは事業再生と第三者への承継の両面から、どの順番で手を打つかを一緒に整理しています。代位弁済の通知が届いた、返済が止まりそうだという段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。
家賃やリース料を滞納したら?~熊本の相談現場で見る、再生の場面で契約解除を避ける4つの順番~
2026/10/11 10:34|カテゴリー:M&A、資金繰り・融資

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。資金繰りが苦しくなったとき、相談の場でよく出るのが「銀行への返済は相談したけれど、家賃とリース料はどうすればいいか」という悩みです。税金や社会保険料の滞納はよく話題になりますが、店舗の賃料やリース料といった民間の支払いは、滞納したときの影響がまったく違います。今回は、再生の相談現場で見てきた、家賃・リース料を滞納する前に整理しておきたい4つの点を整理します。

1回の滞納で契約が切れることもある
銀行借入のリスケジュール(返済猶予)は、話し合いの枠組みがある程度整っています。一方で、賃貸借契約やリース契約には「支払いを怠ったときは催告なく解除できる」「残額を一括で請求できる」といった条項が入っていることが珍しくありません。リース契約では、解除と同時にリース物件を引き揚げられる取り決めになっている場合もあります。
厨房設備やトラック、工場の機械が引き揚げられると、売上そのものが止まります。金額の大小ではなく「止まったときに事業が続けられるか」で見る必要があります。契約書の解除条項と期限の利益喪失条項は、滞納を考える前に必ず現物を確認してください。
止めてよい支払いと、止めてはいけない支払い

資金が足りないとき、どうしても支払いの順番を考えることになります。詳しくは給与は後回しにできる?(支払いの優先順位)でも触れましたが、事業の土台になっているものほど後回しにできません。
店舗や工場の賃料、売上に直結する設備のリース料は、従業員の給与と並んで事業継続の前提です。逆に、金融機関への元本返済は、話し合いによって猶予してもらえる余地が比較的あります。「交渉できる支払い」と「止めれば事業が止まる支払い」を分けて並べるのが出発点です。
滞納してから相談するか、滞納する前に相談するか
熊本の相談現場で差が出るのはここです。滞納してから連絡すると、相手はすでに回収モードに入っています。期日の前に「来月は一部しか払えない」「3か月だけ減額してほしい」と相談した場合は、取引を続けたい相手であれば応じてもらえることもあります。
特にオーナーが地元の個人や同業の方である場合、事情を先に伝えておくかどうかで対応が変わります。銀行への相談の進め方は銀行にリスケを申し込むとどうなる?も参考にしてください。
事業を譲ることを考えるなら、契約の引継ぎが価格に響く
再生型M&Aや事業譲渡で事業を残す場合、賃貸借契約とリース契約が引き継げるかどうかは、買い手の判断を大きく左右します。多くの契約には、譲渡や名義変更に貸主・リース会社の承諾が必要という条項があります。そして、滞納があると承諾の交渉は一気に難しくなります。
「立地が命の商売なのに、店舗の賃貸借契約が引き継げない」という状態は、評価額を下げるだけでなく、話そのものが成立しない原因になります。再生と廃業の見極めについては再生か廃業か、どこで見極める?をご覧ください。
まとめ
家賃とリース料の滞納は、金額以上に「事業が止まるかどうか」に直結します。契約書の解除条項を先に確認し、支払いの順番を並べ、期日より前に相手に相談する。この順番を守るだけで、残せる選択肢はかなり変わります。個別の契約の読み方や交渉の進め方は、契約内容や取引の経緯によって結論が変わりますので、早い段階で専門家にご相談ください。
TORUTEでは、熊本市・八代市を中心に、資金繰りの立て直しから再生型M&A、事業承継のご相談までお受けしています。「まだ滞納はしていないが、来月が不安だ」という段階こそ、打てる手が残っています。お気軽にご相談ください。
銀行にリスケを申し込むとどうなる?~熊本の相談現場で見る、返済猶予を頼む前に整理したい4つのこと~
2026/09/08 16:33|カテゴリー:M&A、資金繰り・融資

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。
「今月の返済がきつい。銀行にリスケをお願いしてもいいものだろうか」——熊本市や八代市の経営者の方から資金繰りのご相談をいただくと、必ずと言っていいほどこの話になります。リスケジュール(返済条件の変更)自体は珍しい手続きではありません。ただ、頼み方と順番を誤ると、その後に残せたはずの再生の選択肢を自分で狭めてしまうことがあります。今回は、金融機関に返済猶予を申し込む前に整理しておきたい4つのことを、熊本の相談現場の視点でまとめます。

リスケジュールは「借金が減る」手続きではない
まず誤解が多い点です。リスケジュールは、毎月の元金返済を一定期間止めたり減らしたりして、返済を後ろにずらす手続きです。利息は原則として払い続けますし、債務そのものが消えるわけでもありません。期間も半年から1年ごとの更新で運用されることが多く、恒久的な措置ではないのが一般的です。
言い換えれば、リスケで手に入るのは「資金繰りの時間」です。その時間で何をするのかが決まっていないと、更新のたびに同じ説明を繰り返すことになり、状況は改善しません。熊本のご相談でも、リスケそのものより「猶予期間の使い方」を一緒に設計するところに時間をかけています。
申し込む前に、資金繰り表と改善の見通しを用意する
金融機関が見ているのは、決算書の数字そのものよりも「返済を止めれば本当に回るのか」という一点です。そこで必要になるのが、月次の資金繰り表です。できれば向こう12か月分をつくり、いつ、いくら足りなくなるのかを先に自分の言葉で説明できる状態にしておきます。
あわせて、売上をどう戻すのか、どのコストをいつまでに落とすのかという改善の中身も要ります。「頑張ります」ではなく、取引先の構成、人員、設備といった具体的な項目に落とし込むことが大切です。決算書だけを持って窓口に行くと話が前に進まない、というのは現場でよく見る場面です。
早く相談するほど、残せる選択肢は多い
再生の場面で一番もったいないのは、時間を失うことです。すでに返済の延滞や税金・社会保険料の滞納が始まってからでは、信用の面で不利になり、新たな借入も補助金の申請も現実的でなくなっていきます。逆に、赤字が続き始めた段階で早めに動けば、条件変更や経営改善計画の策定支援で持ちこたえられるケースもあります。
「もう少し様子を見よう」と粘った数か月で、事業を引き継いでくれる相手を探す時間まで失ってしまう——熊本でも実際に起きていることです。判断を先送りしないこと自体が、再生の打ち手のひとつだとお考えください。
一人で交渉せず、再生型M&Aも同時に視野に入れる
金融機関との交渉は、社長がお一人で背負う必要はありません。中小企業活性化協議会や認定経営革新等支援機関、財務・法務の専門家を間に入れることで、計画の説得力が変わります。取引金融機関が複数ある場合は、各行の足並みを揃える段取りも欠かせません。
そしてもうひとつ。自力再建だけが道ではありません。スポンサーを迎える再生型M&Aや、事業を切り出して残す方法を並行して検討しておくと、万一自力での改善が届かなかったときにも、事業と雇用をつなぐ選択肢が残ります。なお、支援制度の要件や公募内容は改定されることがありますので、最新の公募要領や各機関の案内をご確認のうえ、専門家にご相談ください。
まとめ

リスケジュールは借金が減る手続きではなく、資金繰りの時間を買うものです。申し込む前に資金繰り表と改善の見通しを用意すること、延滞が始まる前の早い段階で動くこと、そして一人で交渉せず再生型M&Aという出口も同時に検討しておくこと。この4点を押さえておくだけで、その後に取れる手は大きく変わります。
TORUTEでは、熊本市・八代市を中心に、事業再生や事業承継、M&Aに関するご相談を承っています。「まだ相談する段階ではないかもしれない」と感じておられる時期こそ、選択肢がいちばん多いタイミングです。お気軽にご相談ください。
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