TORUTEブログ

マッチングサイトで直接やり取りしてもいい?~1000万円以下の少額案件で売り手が確認したい4つのこと~

2026/09/06 19:39|カテゴリー:M&A

マッチングサイトで直接やり取りしてもいい?1000万円以下の少額案件で売り手が確認したい4つのこと

こんにちは。熊本の事業承継・M&Aコンサルティングファームの TORUTE(トルテ)です。1000万円以下の少額案件では、マッチングサイトに登録した売り手が、買い手候補と直接やり取りを始めるケースが増えています。「仲介に頼むと費用がかさむので、まずは自分で話してみたい」というご相談は、熊本市・八代市でも珍しくありません。実際、当事者同士で話が早く進むこと自体は悪いことではありません。ただ、少額案件だからこそ、後戻りできない場面が早い段階でやってきます。今回は、直接やり取りを進めるときに売り手側が自分で確認しておきたい4つの点を整理します。

町工場の事務所で書類を見ながら向き合って話す年配の経営者と買い手候補

1.相手が「本当に買える人」かどうかを先に見る

マッチングサイトでは、気軽に打診が入ります。しかし打診の数と、実際に引き継げる力は別ものです。確認したいのは、資金の裏づけと、事業を担う体制の二つです。少額案件では自己資金で買う方も多い一方、金融機関からの借入を前提にしているのに、まだ相談すらしていないという例もあります。また、買った後に誰が現場を回すのかが決まっていないと、従業員や取引先が離れてしまいます。熊本の相談現場では、「価格の話より前に、承継後の体制をどう考えていますか」と一度聞いてみることをおすすめしています。ここで具体的な答えが返ってくるかどうかで、相手の本気度はかなり見えてきます。

2.秘密保持を先に。資料を出す順番を決めておく

直接交渉でいちばん多いつまずきが、資料を早く出しすぎることです。熱意のある買い手候補から求められると、決算書や取引先の一覧、従業員の名簿まで、初期段階で渡してしまうことがあります。ところが商談が流れた後、その情報だけが相手の手元に残ります。同業の方が買い手候補だった場合、影響はより大きくなります。秘密保持契約を結んだうえで、会社名を伏せた概要から、決算書の概要、そして詳細資料へと、段階を踏んで開示する。この順番を最初に決めておくだけで、リスクはかなり下がります。

3.費用の体系は「総額でいくらか」を書面で確認する

少額案件では、費用が譲渡価格に対して相対的に重くなります。仲介会社やアドバイザーを使う場合、着手金・中間金・成功報酬に加えて、最低手数料が設定されていることがあります。譲渡価格が数百万円でも、最低手数料の方が上回るという事態は起こり得ます。プラットフォームの利用料や、契約書のチェックにかかる専門家費用も別に必要です。金額だけでなく、どの時点で発生するのか、途中で断念した場合はどうなるのかまで、書面で確認しておいてください。詳しくは各社の料金表や規約の最新版をご確認ください。

4.最終契約だけは専門家を入れる

交渉そのものは当事者同士で進めても、契約書の段階は専門家に見てもらうことを強くおすすめします。少額案件でも、表明保証の範囲、簿外債務が後から出てきたときの負担、社長個人の連帯保証をいつ外すか、競業避止義務の期間、退職金や未払残業の扱いといった論点は、規模にかかわらず同じように出てきます。インターネット上の雛形をそのまま使った結果、引渡し後に想定外の請求を受けたというご相談も実際にあります。契約書の確認だけを依頼する形であれば、費用も限定的です。「全部任せるか、全部自分でやるか」の二択ではなく、要所だけ専門家を使うという選び方があります。

まとめ

少額案件で売り手が自分で確認したい4つのことをまとめた図解

1000万円以下の少額案件で、売り手が直接やり取りを進めること自体は、選択肢としてあり得ます。大切なのは、相手の実力を早めに見極めること、資料を出す順番を決めておくこと、費用の総額を書面で押さえること、そして最終契約は専門家に見てもらうことです。この4点さえ外さなければ、直接交渉でも大きな失敗は避けやすくなります。制度や手数料の要件は変わることがありますので、判断の前に必ず最新の情報をご確認いただき、迷われたときは専門家にご相談ください。TORUTE では熊本市・八代市を中心に、少額案件の進め方や契約内容の確認についてのご相談をお受けしています。売却を考え始めた段階でも、すでに交渉が始まっている段階でも構いません。お気軽にご相談ください。