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従業員にはいつ伝える?~1000万円以下のM&Aで、退職を招かない伝え方の順番~

2026/10/14 11:37|カテゴリー:M&A

従業員にはいつ伝える?1000万円以下のM&Aで退職を招かない伝え方の順番

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。1000万円以下の少額案件のご相談で、売り手の社長から必ず出てくるのが「従業員にはいつ伝えればいいのか」というご質問です。長く一緒に働いてきた人たちだからこそ、早く伝えて安心させたい。けれども、言い方や時期を誤ると、まとまりかけた話が一気に崩れることもあります。今回は、熊本の相談現場で実際にお伝えしている、伝える時期と順番の整理の仕方をまとめます。

町工場の休憩室で社長が従業員に事業承継の話を伝えている様子

伝えるのは「決まってから」が原則です

結論から申し上げると、従業員への開示は最終契約を締結したあと、できれば買い手と一緒に伝えるのが原則です。基本合意の前後はまだ条件が動く段階で、価格が変わることも、買い手が降りることもあります。その段階で社内に広まると、「うちは売られるらしい」という話だけが先に走り、不安になった人が次の仕事を探し始めてしまいます。少額案件では従業員3名から10名ほどの会社が多く、1人辞めるだけで引継ぎの絵が描けなくなり、買い手が条件を見直す流れになりがちです。社長としては不誠実に感じられるかもしれませんが、雇用を守るために順番を守る、という整理でご理解いただいています。

株式譲渡か事業譲渡かで、伝える時期が変わります

ただし、どの方法で譲るかによって事情が変わります。株式譲渡であれば会社そのものは変わらないため、雇用契約も労働条件もそのまま引き継がれ、従業員の同意は制度上必要ありません。一方、事業譲渡は会社から会社へ事業を移す形なので、従業員は転籍になり、一人ずつの同意が必要です。つまり事業譲渡では、契約の前に本人の意向を確かめなければ話が進まない場面が出てきます。どちらの方法を取るかは税金や許認可の引継ぎとも関わりますので、譲渡方法の検討と開示の段取りは同時に考えるのが安全です。くわしくは株式譲渡と事業譲渡どちらで売るかの記事もあわせてご覧ください。

順番は、キーパーソン・全従業員・取引先の三段階で

従業員に伝える時期と順番の図解(最終契約後にキーパーソン、全従業員、取引先の順)

伝える順番も大切です。まず、現場を回している番頭格のキーパーソンに個別にお話しする。次に全従業員へ、社長の口から直接伝える。そのうえで取引先や金融機関へご案内する、という三段階が落ち着きます。朝礼や貼り紙で一斉に知らせると、質問が出る場を作れないまま噂だけが残ります。また、買い手に同席してもらい、顔を見せて今後の方針を話してもらえると、不安はかなり小さくなります。社長が「私が頼んで引き受けてもらった人です」と紹介できるかどうかで、その後の定着はまったく変わってきます。

「決まっていない」ままでは伝えられません

最後に、伝える内容です。雇用の継続、給与と役職、退職金や有給の扱い、勤務地。この4点が決まっていない状態で切り出すと、「分からない」が不安に直結します。少額案件では契約書が簡素になりがちですが、従業員の処遇は最終契約に書き込んでおき、伝える日には答えられる状態にしておくことをおすすめします。譲渡後に人が辞めてしまう理由については事業譲渡のあとに従業員が退職する理由、社長がいつまで残るかという論点は引継ぎ期間の決め方で整理しています。

まとめ

従業員への開示は、最終契約後に、キーパーソンから順に、処遇を決めたうえで伝える。これが少額案件で雇用を守るための基本の形です。もっとも、会社の規模や人の顔ぶれによって最適な段取りは変わりますし、事業譲渡では前倒しの個別説明が避けられない場合もあります。実際の進め方は個別の事情に左右されますので、具体的な制度や手続の要件は最新の情報をご確認いただくとともに、専門家にご相談ください。TORUTEは熊本市・八代市を拠点に、従業員への伝え方や引継ぎの段取りまで含めてご一緒に考えています。お気軽にご相談ください。

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