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熊本で会社を売る情報はどこまで出す?~ノンネームシートと企業概要書で書くこと・書かないこと~

2026/10/19 14:51|カテゴリー:M&A

熊本で会社を売る情報はどこまで出す?ノンネームシートと企業概要書で書くこと・書かないこと

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。「会社を売りたいが、売りに出していることが外に漏れるのは絶対に避けたい」。熊本市や八代市でご相談をお受けするとき、価格の話より先にこのご心配をうかがうことが少なくありません。1000万円以下の少額案件ではなおさらで、小さな会社ほど「売る話が広まった」こと自体が従業員の退職や取引の縮小につながってしまいます。今回は、買い手候補に出す資料を「ノンネームシート」と「企業概要書」の二段階に分け、それぞれどこまで書き、何を書かないのかを、熊本の相談現場の感覚とあわせて整理します。

熊本の会社の応接室で、経営者が社名を伏せた資料を見ながらコンサルタントに相談している場面

ノンネームシートは「会社が特定されないこと」が第一

売却情報を出す順番:ノンネームシート→秘密保持契約→企業概要書→社内と取引先への説明

ノンネームシートは、社名を出さずに案件の概要だけを伝える1枚の資料です。買い手候補が興味を持つかどうかを判断するためのもので、ここに載せるのは業種の大枠、おおまかな所在地、売上や利益のレンジ、従業員数のレンジ、譲渡理由、希望スキームといった範囲にとどめます。

逆に書かないほうがよいのは、主要取引先の名前、店舗や工場の所在地が分かる表現、創業年と代表者の年齢の組み合わせ、許認可の番号、自社ホームページにしか載っていない独自の言い回しです。こうした情報は一つひとつは小さくても、組み合わせると会社が絞り込めてしまいます。数字もピンポイントで書かず「売上1億円台」「従業員10名台」のように幅で示すのが実務の基本です。

企業概要書は秘密保持契約を結んだ後に出す

ノンネームシートで関心を示した相手に、次の段階で渡すのが企業概要書(インフォメーション・メモランダム)です。ここでは社名、決算書の数値、従業員の構成、設備や賃貸借契約、許認可、取引先の状況といった踏み込んだ内容を開示します。だからこそ、渡す前に秘密保持契約(NDA)を結ぶのが順番です。

秘密保持契約では、情報の利用目的を今回の検討に限ることのほか、開示できる範囲を相手方の役員と担当者、依頼する専門家までに限定すること、検討を打ち切ったときの資料の返還・削除、違反したときの扱い、そして「売り手に接触していること自体を第三者に伝えない」という点まで書いておきたいところです。マッチングサイトを使って買い手候補とやり取りする場面の注意点は、マッチングサイトで直接やり取りしてもいい?でも整理しています。

熊本では業種と地域の組み合わせで足がつきやすい

これは熊本で実際に気をつけている点です。県内では同じ業種の事業者が数社しかない地域が珍しくなく、「八代市の水産加工」「人吉市の建設業で従業員20名」と書くだけで、同業者なら社名まで見当がついてしまいます。全国向けのひな形どおりに市町村名と業種を並べてしまうと、匿名のつもりが実名と変わらなくなります。

そのため、所在地は「熊本県南部」「熊本市近郊」といった広い表記にし、業種も一段抽象度を上げた言い方にする。相手が九州外の買い手であれば地域名をやや具体にし、県内同業に当たりそうな相手には抽象度を上げる、という使い分けも有効です。なお熊本県事業承継・引継ぎ支援センター(熊本市中央区の熊本商工会議所内)のような公的窓口に相談する場合も、登録の段階でノンネームの書き方を整えてから持ち込むほうが安心です。

社内・取引先・銀行への説明は順番を決めておく

資料の作り方と同じくらい大事なのが、社内で誰がどこまで知っているかの線引きです。経理資料を集める過程で、事情を知らない社員が気づいてしまうことがあります。資料の作成を社長と限られた範囲で行うのか、経理担当に話すのか、その人にはいつの段階で伝えるのかを先に決めておきたいところです。従業員への伝え方そのものについては、従業員にはいつ伝える?で順番を整理しています。

取引先や金融機関についても、賃貸借契約の承諾や許認可の承継、融資の取り扱いなど、どこかの段階で説明が必要になります。全体の流れのどこで何が起きるかは、1000万円以下のM&Aはどんな流れで進む?もあわせてご覧ください。なお秘密保持契約の条項や資料の記載内容は個別の事情で変わりますので、実際に作成される際は専門家にご相談ください。

まとめ

売却の情報は「社名を出さないノンネームシート」と「秘密保持契約を結んだ後の企業概要書」の二段階に分け、ノンネームの段階では数字を幅で示し、所在地と業種は特定されない抽象度にとどめる。熊本では業種と市町村の組み合わせだけで会社が割れてしまうため、全国向けのひな形をそのまま使わないことが肝心です。あわせて、社内で誰がどこまで知るのかの順番も先に決めておきましょう。

TORUTEは熊本市・八代市を拠点に、1000万円以下の少額案件や再生が絡む案件の事業承継・M&Aをお手伝いしています。ノンネームシートの書き方や、秘密保持契約を結ぶ前にどこまで話してよいかの線引きについても、内容をうかがったうえで一緒に整理します。お気軽にご相談ください。

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