TORUTEブログ
熊本で会社の借金は裁判所で減らせる?~特定調停の進め方と銀行の同意~
2026/10/21 08:45|カテゴリー:M&A、事業再生・廃業

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。「銀行との話し合いがまとまりそうなのに、最後の一歩で決まらない」。熊本市や八代市の相談現場で、借入の返済に行き詰まった経営者から、こうしたご相談をいただくことがあります。そのときに出てくるのが「特定調停」という手続きです。裁判所という言葉が出ると、倒産してしまうのかと身構えられる方が多いのですが、特定調停は会社をたたむための手続きではありません。むしろ、銀行との話し合いをまとめて事業を残すための手続きです。ここでは、熊本で使う場合の順番と、使える会社の目安を整理します。

特定調停は「倒産手続き」ではなく話し合いの仕上げ
特定調停は、返済が難しくなった事業者と債権者の間に、簡易裁判所の調停委員が入って返済条件を調整する手続きです。日本弁護士連合会が最高裁判所や中小企業庁と協議してまとめた運用の手引きがあり、中小企業の私的整理の「仕上げ」として使われてきました。
大事なのは、民事再生や破産のような法的整理とは性格が違うという点です。法的整理は裁判所が手続き全体を取り仕切り、取引先の債権も原則として巻き込みます。これに対して特定調停は、相手を金融機関だけに絞って進めるのが一般的です。取引先への支払いは従来どおり続けながら、銀行との返済条件だけを組み替える。だから事業を止めずに進めやすいのです。私的整理と法的整理の違いは資金繰りが厳しくなったら会社はどうなる?でも整理しています。
熊本で進めるときの順番は「先に銀行、あとで裁判所」

熊本の相談現場で感じるのは、順番を取り違えると苦労するということです。特定調停は、いきなり裁判所に申し立てて銀行を呼び出す手続きではありません。先に再生計画の中身を作り、取引金融機関と事前に協議して大筋の了解を得ておく。そのうえで、合意を確かなものにするために熊本簡易裁判所へ申し立てる、という流れが基本です。
計画づくりの段階では、熊本県中小企業活性化協議会が窓口になることがあります。協議会の準則で話を進め、最後の詰めで特定調停を使う組み合わせもあります。協議会の役割は再生の相談はどこから始める?でご説明しています。メインバンクに何をどう伝えるかは、銀行にリスケを申し込むとどうなる?もあわせてご覧ください。熊本市中央区にある簡易裁判所は地方裁判所と同じ場所にありますが、申立先や必要書類の扱いは事案によって変わりますので、実際の運用は管轄の裁判所にご確認ください。
使える会社の目安と、3つの型
特定調停は、どんな会社でも使えるわけではありません。国税庁が示した資料などでは、負債規模が比較的小さい事業者が想定され、少なくとも約定の金利程度は払い続けられる収益力が残っていることが目安として挙げられています。本業で稼ぐ力が残っていて、借入の重さだけが足を引っ張っている会社向けの手続きだとお考えください。
型としては、事業を続けながら再生する一体再生型、経営者保証に関するガイドラインに基づいて社長個人の保証を整理する単独型、事業をたたむことを前提に進める廃業支援型があります。社長個人の保証をどう扱うかは会社を整理したら社長の個人保証はどうなる?で詳しく触れています。どの型が合うかは数字と事情で変わりますので、必ず専門家にご相談ください。
成立したら「守れる計画」でなければ意味がない
特定調停が成立すると、その調停条項は債務名義になり、確定判決と同じ効力を持つとされています。つまり、約束どおりに払えなかったときには強制執行を受ける立場になります。ここが、口約束のリスケとはっきり違うところです。
熊本の相談現場で私たちがいちばん時間をかけるのは、この「守れるかどうか」の確認です。売上の前提が強気すぎないか、季節による資金の谷を織り込んでいるか、設備の入れ替えや人の採用に必要なお金を見ているか。通ることを優先して薄い計画を作ってしまうと、数年後に同じ場所に戻ってきてしまいます。制度の要件や運用は見直されることがありますので、最新の取扱いをご確認のうえ進めてください。
まとめ
特定調停は、会社をたたむ手続きではなく、銀行との話し合いを確かな形にして事業を残すための手続きです。先に計画と銀行協議、あとで裁判所という順番を守ること。本業の稼ぐ力が残っているうちに動くこと。この2つが、使えるかどうかの分かれ目になります。TORUTEでは事業承継とM&Aの両面から、再生と承継のご相談をお受けしています。熊本市・八代市を中心に、「まだ決めていないけれど話を聞いてほしい」という段階でもかまいません。お気軽にご相談ください。
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