TORUTEブログ
2026年9月
事業承継は何歳から始める?~経営者の平均年齢と50代・60代・70代でやるべき準備~
2026/09/10 12:29|カテゴリー:事業承継

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。「事業承継は、まだ元気なうちは考えなくていい」「もう少し歳をとってからで十分」——熊本市や八代市でご相談をお受けしていると、こうした声をよく耳にします。ですが実際には、準備を始める年齢が早いほど、選べる道は広がります。今回は、経営者・後継者の年齢の実態と、50代・60代・70代でそれぞれ何を準備しておくべきかを、熊本の相談現場の視点で整理します。

経営者の平均年齢はどのくらい?高齢化の実態
全国の調査では、中小企業の経営者の年齢は年々上がり続けており、平均年齢は60歳を超えているとされています。とくに問題になっているのが、後継者が決まらないまま経営者だけが高齢になっていく「後継者不在」の状態です。熊本県内でも、業績は堅調なのに「継ぐ人がいない」という理由だけで廃業を選ばざるを得ないケースが少なくありません。
平均年齢が上がっているということは、それだけ「まだ承継の準備をしていない会社」が多いということでもあります。だからこそ、平均に流されず、ご自身の年齢と会社の状況から逆算して動き出すことが大切です。
年齢別に見る、いつ・何を準備する?
事業承継の準備には、一般に5年から10年かかるといわれます。年代ごとに「今やっておきたいこと」を押さえておきましょう。
50代でやっておきたいこと
まだ現役感の強い50代ですが、実はここが最も選択肢の広い時期です。後継者候補を見極め、育て始めるのに十分な時間があります。親族に継ぐ意思があるのか、社内に候補がいるのか、あるいは第三者への譲渡(M&A)も視野に入れるのか——この段階で方向性の当たりをつけておくと、後の動きが格段にスムーズになります。
60代で進めたいこと
60代は、方向性を「実行」に移していく時期です。後継者が決まっているなら、株式や資産の移転、金融機関との経営者保証の扱い、取引先への引き継ぎなどを計画的に進めます。まだ後継者が決まっていない場合は、この時期に第三者承継(M&A)を含めて具体的に検討を始めると、慌てずに相手を探せます。
70代から優先したいこと
70代に入ったら、「会社を止めない」ことを最優先に考えます。体調の変化などで急に承継を迫られると、選べる道は一気に狭まってしまいます。後継者がいなければ、廃業の前に「引き継いでくれる相手がいないか」を専門家と一緒に探すことをおすすめします。少額でも第三者に引き継げれば、従業員の雇用や取引先との関係を残せる可能性があります。

承継の方法で「年齢の考え方」は変わる
ひとくちに事業承継といっても、誰に引き継ぐかによって、準備に必要な時間や年齢の考え方が変わります。
親族内承継の場合
お子様など親族に継ぐ場合、後継者の育成や、相続を見据えた株式の移転に時間がかかります。早く始めるほど、税負担の対策や相続人間の公平性への配慮もていねいに行えます。50代からの着手が理想的です。
従業員承継の場合
役員や従業員に継ぐ場合は、経営者としての育成に加えて、株式の買取資金や、金融機関からの借入に対する経営者保証をどう引き継ぐかが課題になります。候補者との合意形成に時間がかかるため、こちらも早めの準備が安心です。
第三者承継(M&A)の場合
親族にも社内にも後継者がいない場合の選択肢です。近年は中小企業のM&Aが一般的になり、70代からでも「相手が見つかれば」比較的短い期間で進むことがあります。ただし、良い相手と出会い条件を整えるには相応の準備が必要ですので、「まだ元気なうち」に相談を始めておくと選択肢が広がります。
「まだ早い」と思ったときこそ始めどき ― 準備開始の3つの目安
次の3つのうち、はっきり「はい」と言えないものがあれば、それが準備を始めるサインです。
①後継者の意思を確認できているか。「継いでくれるだろう」という思い込みのまま時間が過ぎているケースは少なくありません。
②引き継ぐものを整理できているか。自社株の評価、借入や保証、許認可、主要な取引先との関係など、引き継ぐ中身の棚卸しができているか。
③承継後の体制を考えられているか。誰がどの役割を担うのか、承継後の会社の形を描けているか。
事業承継を始める3つのステップ

実際に動き出すときは、次の順番で進めると迷いにくくなります。まず後継者と承継の方向性を確認し、次に引き継ぐものと課題を整理、そのうえで相談先を決めて計画を立てる——この3ステップです。最初の一歩は、相手や制度を決めることではなく、「自社の現状を客観的に把握すること」から始まります。
まとめ ― 熊本で迷ったらTORUTEへ
事業承継に「早すぎる」はありません。平均年齢を待つのではなく、ご自身の年代でできる準備から始めることが、会社と従業員、そして取引先を守ることにつながります。年齢や状況によって最適な進め方は変わりますので、判断に迷われたときは専門家にご相談ください。
TORUTEでは、熊本市・八代市を中心に、事業承継・M&A・財務コンサルティングを通じて、経営者の皆様の円滑なバトンタッチをサポートしています。「うちはいつ動けばいい?」という段階からで構いません。どうぞお気軽にご相談ください。
補助金はいつ入金される?~事業承継・M&A補助金の「後払い」と、熊本の相談現場で見るつなぎ資金の備え~
2026/09/10 10:11|カテゴリー:事業承継、補助金・助成金

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。「事業承継・M&A補助金に採択されました」とご報告をいただいたあと、少し間を置いて必ず出てくるご質問があります。「この補助金は、いつ口座に入ってくるのでしょうか」というものです。採択の通知を受けた時点では、まだ一円も入ってきていません。ここを誤解したまま契約や発注を進めてしまうと、資金繰りが一気に苦しくなったり、せっかく採択された経費が対象外になったりすることがあります。今回は、補助金が「いつ・どういう順番で」入ってくるのかを、熊本の相談現場で実際に確認している順に整理します。

補助金は「使ったあとに入るお金」です

まず押さえていただきたいのは、この種の補助金が原則として精算払い、つまり後払いだということです。流れとしては、公募に申請して採択され、交付決定を受け、そのうえで実際に契約・発注・支払いを行い、終わってから実績報告を出し、内容が確認されてはじめて入金されます。仲介会社への手数料やデューデリジェンス費用、承継後の設備投資費用は、いったん自社が全額を立て替えて支払うことになります。補助率が三分の二であっても、支払いの瞬間には十分の十を用意しなければならない、ということです。ここを見落として「補助金が出るから払える」と考えてしまうと、着金までの数か月の資金繰りが空白になります。
交付決定の前に動くと対象外になることがあります
もうひとつ、相談現場でひやりとするのが着手のタイミングです。補助金の対象になる経費は、原則として交付決定日以後に契約・発注したものに限られます。採択の連絡が来た嬉しさで、交付決定を待たずにアドバイザリー契約を締結してしまう、設備の発注を入れてしまう、という例は珍しくありません。その一件だけが対象外と判断されると、補助額が大きく削られてしまいます。逆に、M&Aの交渉自体は待ってくれないという現実もありますから、どの契約をいつ結ぶのかは、公募要領の定めを確認しながら順番を設計する必要があります。枠によって取り扱いが異なりますので、必ず最新の公募要領をご確認いただき、判断に迷う場面では専門家にご相談ください。
実績報告でつまずくのは、たいてい書類です
入金までの最後の関門は実績報告です。ここで問われるのは「本当にその経費を、その目的で、その金額だけ支払ったのか」という一点で、確認の材料になるのは書類だけです。契約書、見積書、請求書、そして振込を証明できる通帳の記録。この四点が揃っていない、あるいは金額や日付が食い違っている、というだけで確認が止まり、入金が後ろにずれます。とくに小規模な会社では、社長個人の口座から立て替えて支払った、現金で払って領収書だけが残っている、といったケースがあり、そのままでは説明が難しくなります。申請の段階から、支払いは法人口座から行い、書類はその都度まとめておく。この習慣が、そのまま入金の早さにつながります。
熊本の相談現場では、つなぎ資金を同時に考えます
そこで私たちが熊本市や八代市のご相談でお勧めしているのは、補助金の申請と、金融機関への相談を同じ時期に始めておくことです。採択されてから入金までの期間をどう乗り切るか、その間の運転資金は足りるか。取引金融機関に対して「この補助金に申請しており、採択された場合の着金はこのくらいの時期になる見込みです」と早めに共有しておくと、つなぎの融資を検討していただきやすくなります。補助金は資金繰りの穴を埋める道具ではなく、あくまで投資の負担を後から軽くしてくれる制度です。今の手元資金で立て替えられるかどうかを先に確かめておくことが、承継そのものを安全に進める前提になります。
まとめ
事業承継・M&A補助金は後払いであり、採択と入金の間には、交付決定・契約・支払い・実績報告という段階があります。交付決定前の発注は対象外になりうること、書類の不備が入金の遅れに直結すること、そして立て替え分のつなぎ資金が必要になること。この三点を先に押さえておけば、採択後に慌てることはぐっと減ります。補助額や要件、締切は公募回ごとに変わりますので、金額や期限は必ず最新の公募要領をご確認ください。TORUTEでは熊本市・八代市を中心に、補助金の活用を前提とした承継の進め方から、金融機関への説明の組み立てまで、一緒に整理させていただいています。自社の場合はどの順番で動くべきか迷われたら、お気軽にご相談ください。
銀行にリスケを申し込むとどうなる?~熊本の相談現場で見る、返済猶予を頼む前に整理したい4つのこと~
2026/09/08 16:33|カテゴリー:M&A、資金繰り・融資

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。
「今月の返済がきつい。銀行にリスケをお願いしてもいいものだろうか」——熊本市や八代市の経営者の方から資金繰りのご相談をいただくと、必ずと言っていいほどこの話になります。リスケジュール(返済条件の変更)自体は珍しい手続きではありません。ただ、頼み方と順番を誤ると、その後に残せたはずの再生の選択肢を自分で狭めてしまうことがあります。今回は、金融機関に返済猶予を申し込む前に整理しておきたい4つのことを、熊本の相談現場の視点でまとめます。

リスケジュールは「借金が減る」手続きではない
まず誤解が多い点です。リスケジュールは、毎月の元金返済を一定期間止めたり減らしたりして、返済を後ろにずらす手続きです。利息は原則として払い続けますし、債務そのものが消えるわけでもありません。期間も半年から1年ごとの更新で運用されることが多く、恒久的な措置ではないのが一般的です。
言い換えれば、リスケで手に入るのは「資金繰りの時間」です。その時間で何をするのかが決まっていないと、更新のたびに同じ説明を繰り返すことになり、状況は改善しません。熊本のご相談でも、リスケそのものより「猶予期間の使い方」を一緒に設計するところに時間をかけています。
申し込む前に、資金繰り表と改善の見通しを用意する
金融機関が見ているのは、決算書の数字そのものよりも「返済を止めれば本当に回るのか」という一点です。そこで必要になるのが、月次の資金繰り表です。できれば向こう12か月分をつくり、いつ、いくら足りなくなるのかを先に自分の言葉で説明できる状態にしておきます。
あわせて、売上をどう戻すのか、どのコストをいつまでに落とすのかという改善の中身も要ります。「頑張ります」ではなく、取引先の構成、人員、設備といった具体的な項目に落とし込むことが大切です。決算書だけを持って窓口に行くと話が前に進まない、というのは現場でよく見る場面です。
早く相談するほど、残せる選択肢は多い
再生の場面で一番もったいないのは、時間を失うことです。すでに返済の延滞や税金・社会保険料の滞納が始まってからでは、信用の面で不利になり、新たな借入も補助金の申請も現実的でなくなっていきます。逆に、赤字が続き始めた段階で早めに動けば、条件変更や経営改善計画の策定支援で持ちこたえられるケースもあります。
「もう少し様子を見よう」と粘った数か月で、事業を引き継いでくれる相手を探す時間まで失ってしまう——熊本でも実際に起きていることです。判断を先送りしないこと自体が、再生の打ち手のひとつだとお考えください。
一人で交渉せず、再生型M&Aも同時に視野に入れる
金融機関との交渉は、社長がお一人で背負う必要はありません。中小企業活性化協議会や認定経営革新等支援機関、財務・法務の専門家を間に入れることで、計画の説得力が変わります。取引金融機関が複数ある場合は、各行の足並みを揃える段取りも欠かせません。
そしてもうひとつ。自力再建だけが道ではありません。スポンサーを迎える再生型M&Aや、事業を切り出して残す方法を並行して検討しておくと、万一自力での改善が届かなかったときにも、事業と雇用をつなぐ選択肢が残ります。なお、支援制度の要件や公募内容は改定されることがありますので、最新の公募要領や各機関の案内をご確認のうえ、専門家にご相談ください。
まとめ

リスケジュールは借金が減る手続きではなく、資金繰りの時間を買うものです。申し込む前に資金繰り表と改善の見通しを用意すること、延滞が始まる前の早い段階で動くこと、そして一人で交渉せず再生型M&Aという出口も同時に検討しておくこと。この4点を押さえておくだけで、その後に取れる手は大きく変わります。
TORUTEでは、熊本市・八代市を中心に、事業再生や事業承継、M&Aに関するご相談を承っています。「まだ相談する段階ではないかもしれない」と感じておられる時期こそ、選択肢がいちばん多いタイミングです。お気軽にご相談ください。
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