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事業承継
事業承継税制はいまから使える?~特例措置と一般措置の違い、熊本の経営者が確認すべきポイント~
2026/08/02 12:25|カテゴリー:事業承継

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。
「自社株を息子に渡したいが、贈与税が心配だ」——そう考えて調べ始めると、必ず出てくるのが事業承継税制という言葉です。ところが実際に調べてみると「特例措置」「一般措置」「特例承継計画」といった用語が並び、結局のところ自分の会社はいまから使えるのかがわからない、というご相談が非常に多くあります。今回は、熊本の経営者の方が最初に押さえるべきポイントを整理します。

結論:これから検討するなら「一般措置」が出発点になる
事業承継税制は、後継者が自社株を引き継ぐ際の贈与税・相続税の納付を猶予する制度で、大きく特例措置と一般措置の2つがあります。
優遇の大きい特例措置を使うには、前提として「特例承継計画」を期限内に都道府県へ提出しておく必要がありました。この提出期限は令和8年(2026年)3月31日とされてきた経緯があり、すでに提出を終えている会社でなければ、いまから新たに特例措置を狙うのは難しい、という前提で考えるのが現実的です。一方で一般措置には計画提出の期限がないため、これから検討を始める会社の出発点は一般措置になります。
ただし、この制度は改正が重ねられており、期限や要件の取扱いが変わることがあります。実際の適用可否は、必ず最新の情報をご確認のうえ、税理士などの専門家にご相談ください。
特例措置と一般措置は、何がどう違うのか

両者の違いは「どこまで税負担が軽くなるか」と「どこまで縛りが厳しいか」の2点に集約されます。
特例措置は、対象となる株式の範囲が広く、猶予される割合も大きいため、税負担の軽減効果が非常に大きい制度でした。後継者を複数人まで設定できる点や、雇用の維持要件が実質的に緩和されている点も、中小企業にとっては使いやすい設計でした。
これに対して一般措置は、対象となる株式や猶予の割合に一定の制限があり、雇用を維持できなかった場合の扱いも厳しめです。それでも、相続や贈与のタイミングでまとまった納税資金を用意できない会社にとって、猶予が受けられること自体に大きな意味があります。「特例が使えないから諦める」ではなく、一般措置でどこまで手当てできるかを試算してみるのが正しい順番です。
使う前に必ず確認したい3つのこと
ご相談の現場で、制度の説明より先にお伝えしているのが次の3点です。
1つめは、これは「免除」ではなく「猶予」だという点です。要件を満たし続けている間は納税を待ってもらえますが、条件を外れれば猶予が打ち切られ、猶予されていた税額に利子税を加えて納めることになります。制度に乗ることは、その後何年も要件を守り続けるという約束をすることでもあります。
2つめは、将来の選択肢を縛る可能性があるという点です。いずれM&Aで第三者へ譲るという道が現実的にあり得る会社の場合、税制を使ったことがその判断に影響することがあります。
3つめは、後継者が本当に続けられるかです。税負担が軽くなっても、後継者が数年で辞めてしまえば会社は元に戻りません。税制はあくまで承継の手段であって、目的ではありません。
熊本の現場で見ると、判断材料は「税金」だけではない
熊本市・八代市でご相談をお受けしていると、自社株の評価額がそれほど高くなく、そもそも税制を使わなくても納税資金の目処が立つケースが少なくありません。逆に、不動産を多く持つ会社や、長年利益を蓄積してきた会社では、株価が想像以上に上がっていて驚かれることもあります。
大切なのは、まず自社株がいくらと評価されるのかを把握することです。そのうえで、税制を使うのか、生前贈与や持株会社の活用など別の方法を組み合わせるのか、あるいは第三者への譲渡を視野に入れるのかを検討します。順番を逆にして「制度ありき」で走ると、後から選択肢を狭めてしまいます。
まとめ
事業承継税制は、特例承継計画を提出済みでなければ、これから使うのは一般措置が中心になります。制度は猶予であって免除ではなく、将来のM&Aの可能性に影響する場合もあるため、税額の大小だけで判断すべきものではありません。要件や期限は改正で変わりますので、必ず最新の情報をご確認ください。
TORUTEでは熊本市・八代市を中心に、自社株の評価から承継の進め方、M&Aという選択肢まで、税理士等の専門家と連携しながらご相談をお受けしています。「うちの株はいくらなのか」という段階からで構いませんので、お気軽にご相談ください。
事業承継ガイドラインの最新版はどこを見る?~熊本の相談現場で見る、中小M&Aガイドラインとの違いと実務での使い方~
2026/07/30 09:01|カテゴリー:事業承継

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。
「事業承継ガイドラインの最新版を見ておいたほうがいい」と、金融機関や顧問税理士から言われたことはありませんか。ところが実際に調べてみると、似た名前の資料がいくつも出てきて、どれが最新なのか、そもそも自分の会社に関係があるのかが分かりにくい、というご相談をよくいただきます。ここで多くの社長さまがつまずくのは、「最新版がどこにあるか」と「その中身を自社でどう使うか」が別の問題だという点です。今回はその両方を整理してご説明します。

結論:最新版は中小企業庁の公式サイトで原典を確認するのが確実です
先に結論からお伝えすると、事業承継ガイドラインは中小企業庁が公表している資料であり、最新版を確実に把握する方法は、中小企業庁の公式サイトで原典を確認することです。このガイドラインはこれまでに複数回改訂されており、解説記事やセミナー資料は、公表された当時の版を前提に書かれていることが少なくありません。改訂前の内容をそのまま読んでしまうと、支援策や進め方の前提がずれてしまいます。
なお、事業承継ガイドラインは法律ではなく、国が示す考え方と手引きです。守らなければ罰則がある、という性質のものではありません。ただし、金融機関や支援機関が事業承継の相談を受けるときの共通の土台になっているため、経営者側が大枠を知っておくと、専門家との話が格段に早く進みます。
「事業承継ガイドライン」と「中小M&Aガイドライン」は役割が違います

検索して混乱しやすい最大の原因は、名前の似たもう一つの資料、「中小M&Aガイドライン」の存在です。どちらも中小企業庁が公表しているものですが、扱う場面が異なります。
事業承継ガイドラインは、親族内承継・従業員承継・第三者への承継(M&A)を含めた事業承継の全体について、何から考え、どう準備を進めるかを示すものです。一方、中小M&Aガイドラインは、その選択肢のうちM&Aを選んだ場合に、仲介者やアドバイザーがどう振る舞うべきか、経営者は何に注意すべきかという、取引の進め方とルールに焦点を当てた資料です。
つまり、「そもそもどの道を選ぶか」を考える段階では事業承継ガイドライン、「M&Aで進めると決めた後、支援会社を選び交渉する」段階では中小M&Aガイドラインが手引きになる、という関係です。当社も中小M&Aガイドラインの遵守を宣言している立場から申し上げますと、この違いをご存じかどうかで、支援会社の説明が適切かどうかを社長さまご自身で判断できるかが変わってきます。
改訂を経ても変わらない三つの軸
版が変わっても、ガイドラインが繰り返し伝えている軸は大きく変わっていません。実務のうえで特に押さえておきたいのは、次の三つです。
一つ目は、着手が早いほど選択肢が多いということ。承継の準備には数年単位の時間がかかるため、体調や取引先の事情で急に動かざるを得なくなると、選べる道が一気に狭まります。二つ目は、引き継ぐべきものは株式や不動産だけではないということ。取引先との関係、現場の技術、従業員の信頼といった目に見えない資産こそ、引き継ぎに時間を要します。三つ目は、親族内に後継者がいないことは行き止まりではないということ。従業員への承継や第三者へのM&Aも、ガイドラインが正面から示している選択肢です。
熊本の相談現場で見る、「読んだだけ」で止まらないために
ガイドラインを一通り読まれた社長さまから、「内容は分かったが、自社では何から手をつければよいのか分からない」というお声をいただくことがよくあります。示されているのはどの会社にも当てはまる大枠の流れですので、自社の事情に置き換える作業が別途必要になるためです。
最初の一歩としてお勧めしているのは、今の会社の状態を紙一枚に書き出すことです。株式を誰がどれだけ持っているか、後継者候補はいるか、個人保証や個人資産の担保提供はあるか、決算はここ数年どうか。この四点を整理するだけで、次に相談すべき相手が税理士なのか、金融機関なのか、M&Aの実務を扱う専門家なのかが見えてきます。逆にここが曖昧なまま相談に進むと、どうしても一般論の説明で終わってしまいます。
まとめ
事業承継ガイドラインの最新版は、中小企業庁の公式サイトで原典を確認するのが確実です。そのうえで、事業承継全体の考え方は事業承継ガイドライン、M&Aの進め方は中小M&Aガイドラインという役割分担を押さえておけば、情報に振り回されずに済みます。制度や支援策の要件・金額は改訂や公募回によって変わりますので、実際に活用を検討される際は必ず最新の公表資料や公募要領をご確認いただき、判断に迷う点は専門家にご相談ください。
TORUTEは熊本市・八代市を中心に、事業承継とM&Aのご相談を承っています。「ガイドラインを読んでみたが、自社の場合はどう進めるのが現実的か知りたい」という段階でも構いません。会社の状況を伺いながら、次に取るべき一手を一緒に整理いたします。お気軽にご相談ください。
事業承継は『九州』まで視野を広げるべき?~熊本の相談現場で見る、後継者・相手探しの選択肢の広げ方~
2026/07/26 09:24|カテゴリー:事業承継

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。「事業承継は地元だけで完結できるのか、それとも九州全体を視野に入れて考えるべきなのか」——後継者や引き継ぎ先を探し始めた経営者から、こうしたご相談をいただくことが増えています。地元で相手が見つからないと、そのまま廃業しか道がないように感じてしまう方も少なくありません。今回は、熊本の相談現場で見えてくる「九州という視野の広げ方」を、実務の視点から整理します。

結論:まず地元、行き詰まったら九州へ——二段構えが現実的
結論からお伝えすると、事業承継はいきなり九州全域を対象にするのではなく、「まず地元(熊本市・八代市など)で候補を探し、条件が合わなければ隣県・九州域内へ視野を広げる」という二段構えが現実的です。取引先や従業員との距離を考えれば地元での承継が理想ですが、後継者不在や事業規模の事情で地元だけでは相手が見つからないケースもあります。そのときに「九州」という一段広い商圏を選択肢として持っておくことで、廃業を避けられる可能性が高まります。
なぜ「九州」まで広げると相手が見つかりやすいのか

事業承継やM&Aで引き継ぎ先を探すとき、対象エリアを一つの市町村に限定すると候補は一気に絞られます。一方で、福岡・佐賀・長崎・大分・宮崎・鹿児島といった九州各県まで広げると、同業種で事業拡大を検討している買い手や、九州進出を狙う企業と出会える可能性が出てきます。特に、福岡を拠点に九州各地への展開を進める企業にとって、熊本の地盤を持つ会社は魅力的な相手になり得ます。「地元で見つからない=廃業」ではなく、少し商圏を広げるだけで選択肢が増える、というのは知っておいて損のない視点です。
九州域内は支援機関のネットワークがつながっている
事業承継を後押しする公的な支援機関(事業承継・引継ぎ支援センターなど)は各県に置かれており、県をまたいだ案件でも連携して情報をつなぐ体制が整えられています。熊本の窓口に相談したことが、結果として九州域内の他県の候補につながることもあります。地元の専門家に相談する際は、「地元だけでなく九州域内での相手探しも視野に入れたい」と早めに伝えておくと、候補の幅を広げやすくなります。支援制度の内容や対象は年度や地域で変わるため、利用を検討する際は最新の情報をご確認ください。
熊本の経営者が九州視点を活かすときの注意点
商圏を広げるほど相手候補は増えますが、その分「誰に、どこまで情報を出すか」の管理が重要になります。承継の検討をしていること自体が取引先や従業員に早く伝わりすぎると、事業に影響が出かねません。エリアを広げる場合ほど、秘密保持を徹底したうえで段階的に情報を開示していく進め方が欠かせません。また、遠方の相手との承継では、引き継ぎ後の従業員の雇用や取引の継続といった「地元に残るもの」への配慮も、相手選びの大切な判断材料になります。個別の事情によって最適な進め方は異なりますので、判断に迷う場面では専門家にご相談ください。
まとめ
事業承継は「まず地元、行き詰まったら九州へ」という二段構えで考えることで、廃業以外の選択肢が見えてきます。商圏を九州域内まで広げれば相手候補は増えますが、その分だけ秘密保持や情報開示の進め方には慎重さが求められます。TORUTEは熊本市・八代市を中心に、地元での承継から九州域内での相手探しまで、経営者お一人おひとりの状況に合わせてご支援しています。「地元で相手が見つかるか不安」「どこまで視野を広げるべきか整理したい」といった段階でも構いません。お気軽にご相談ください。
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