TORUTEブログ
補助金・助成金
会社をたたむ費用に補助金は使える?~事業承継・M&A補助金『廃業・再チャレンジ枠』の対象と申請の流れ~
2026/08/26 16:26|カテゴリー:事業承継、補助金・助成金

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。
「もう会社をたたむしかないと思っているが、たたむのにもお金がかかると言われた」。そんなご相談をいただくことがあります。店舗の原状回復、機械の撤去、在庫の処分、リース契約の解約金――廃業は「やめれば終わり」ではなく、まとまった費用が出ていく手続きです。手元資金が細っているほど、そのお金が用意できずに動けなくなってしまいます。実は、この廃業にかかる費用の一部には、国の補助金が使える可能性があります。今回は事業承継・M&A補助金の「廃業・再チャレンジ枠」について整理します。

結論:廃業にかかる費用も、補助の対象になり得る
事業承継・M&A補助金には、廃業に伴う費用を対象とする枠が設けられています。廃業を「失敗」ではなく、経営資源を次に振り向けるための一つの選択と位置づけ、その費用負担を軽くしようという趣旨の制度です。廃業費用そのものが対象になるという点で、他の補助金とは性格が異なります。ただし、単に事業をやめるだけで自動的に受け取れるものではなく、後述する要件を満たす必要があります。補助率や上限額、対象となる廃業の範囲は公募回ごとに見直されますので、必ず最新の公募要領をご確認ください。
「単独で使う場合」と「他の枠と一緒に使う場合」がある
この枠の使い方は、大きく二通りに分かれます。一つは、事業承継やM&Aに取り組む中で不採算部門や一部の店舗を整理する場合に、他の枠(専門家活用枠や経営革新枠など)と併せて上乗せで使う形です。もう一つは、再チャレンジを前提として事業全体を廃業する場合に、単独で申請する形です。後者は「廃業したうえで、新しい事業に挑戦する」ことが前提になるため、その後の計画をどう描くかが問われます。ご自身のケースがどちらに当たるかで、準備する資料も申請の組み立ても変わってきます。
対象になる費用・ならない費用の考え方
対象として想定されているのは、廃業に直接ひもづく外部への支出です。店舗や工場の原状回復にかかる工事費、設備の解体・撤去や処分の費用、リースの解約に伴う費用、廃業手続きを依頼する専門家への報酬などが典型例です。一方で、金融機関への借入金の返済、従業員への退職金、税金や社会保険料の支払いといった、事業をたたむかどうかに関わらず本来負担すべきものは、対象外とされるのが一般的です。「支払うお金なら何でも見てもらえる」わけではない点は、最初に押さえておきたいところです。判断に迷う費用は、見積書の段階で認定経営革新等支援機関に確認しておくと安心です。
申請の流れ――先に準備しておきたいこと

申請は電子申請システムで行うため、まずgBizIDプライムの取得が必要です。この取得には書類の郵送と審査で日数がかかりますので、公募が始まってから動くと間に合わないことがあります。公募開始前に取っておくのが実務上の鉄則です。あわせて、認定経営革新等支援機関の確認や、廃業費用の見積書の取得も先に進めておきます。交付決定の前に発注・契約してしまった費用は対象外になるのが原則ですので、工事や撤去の発注は必ず交付決定を待ってから行ってください。
まとめ
廃業にかかる費用に補助金が使える可能性があると知っているかどうかで、選べる道は変わります。そして、この制度は「まだ動ける段階」で相談に来られた方ほど活かしやすいものです。資金が完全に尽きてからでは、交付決定を待つ時間そのものが取れなくなってしまいます。また、廃業を検討していた会社が、話を伺うと事業の一部に買い手がつき、M&Aや再生という別の出口に切り替わることも珍しくありません。補助金の要件、対象経費、公募スケジュールは回ごとに変わり、個別事情によっても結論は異なります。TORUTEでは熊本市・八代市を中心に、廃業・事業承継・M&Aのご相談を承っています。どの道を選ぶべきか迷っている段階で構いませんので、まずは専門家にお気軽にご相談ください。
事業承継・M&A補助金の採択率はどのくらい?~熊本の相談現場で見る、不採択になりやすい申請の共通点~
2026/08/23 18:32|カテゴリー:事業承継、補助金・助成金

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。「事業承継・M&A補助金を使いたいが、どのくらい採択されるものなのか」「せっかく手間をかけて申請しても落ちるなら、最初から考えないほうがよいのでは」。補助金のご相談では、必ずといってよいほどこのご質問をいただきます。採択率という数字だけを見て判断してしまうと、本来なら十分に通る可能性があった申請をあきらめてしまうことにもなりかねません。今回は、採択率をどう受け止めればよいのか、そして不採択になりやすい申請にはどんな共通点があるのかを、熊本の相談現場の目線で整理します。

採択率は「制度全体の数字」ではなく「枠ごとの数字」で見る
結論から申し上げると、事業承継・M&A補助金の採択率は、制度全体でひとくくりに語れるものではありません。この補助金には専門家活用枠、経営革新枠、廃業・再チャレンジ枠といった複数の枠があり、枠ごとに応募件数も審査の観点も異なります。同じ公募回でも枠によって採択率に差が出ることは珍しくありませんし、公募回が変われば予算規模や応募状況も変わります。
つまり「事業承継の補助金は通りにくいらしい」という漠然とした噂で判断するのではなく、自社が使おうとしている枠について、直近の公募回の実績を確認するのが出発点です。採択結果は公募回ごとに公表されますので、最新の公募要領とあわせてご確認ください。なお、具体的な採択率や上限額は公募回によって変わりますので、本稿では数字そのものではなく「何が結果を分けるのか」に絞ってお伝えします。
不採択になりやすい申請に共通する4つの点

私たちが拝見してきた範囲で、惜しくも通らなかった申請には、いくつか共通する傾向があります。
ひとつ目は、形式要件の取りこぼしです。gBizIDプライムの取得が間に合わない、認定経営革新等支援機関の確認書が締切に間に合わない、必要書類の一部が欠けている——といった、内容以前のところで土俵に上がれないケースです。もったいない不採択の典型といえます。
ふたつ目は、承継や M&A と、申請している取組のつながりが見えないことです。設備投資や新事業の計画そのものは立派でも、それが「承継を機に行うもの」だと読み手に伝わらなければ、この補助金の趣旨に合っているとは判断されにくくなります。
三つ目は、数字の裏づけが薄いことです。「売上を伸ばす」「効率化する」という方向性だけが書かれていて、どの経費がどう効いて、いつまでにどの程度の効果を見込むのかが示されていない申請は、評価しづらいものになります。
四つ目は、対象外経費が混ざっていることです。何が対象になるかは公募要領で細かく決められており、思い込みで積み上げると、申請額が想定より大きく削られることもあります。
準備段階でできることのほうが、実は多い
採択率を上げるという言い方をすると、申請書の書きぶりを工夫する話だと受け取られがちですが、実際に効いてくるのは書き始める前の準備です。gBizIDプライムの取得には日数がかかりますし、認定支援機関に相談してから書類が整うまでにも時間が必要です。締切の直前に動き出すと、この二つだけで選択肢が狭まってしまいます。
また、承継やM&Aの計画自体がまだ固まっていない段階で申請書だけを先に書こうとすると、どうしても内容が抽象的になります。誰に、いつ、どのように引き継ぐのか。その中でこの取組がどんな役割を果たすのか。この順番で整理しておけば、申請書は自然と具体的なものになります。
まとめ
採択率は、制度全体の平均値を眺めても意味がありません。ご自身が使う枠の直近の傾向を確認したうえで、形式要件を確実に押さえ、承継・M&Aと取組のつながりを数字とともに示す。この基本を丁寧に踏むことが、遠回りのようでいて一番の近道です。制度の内容や上限額、公募スケジュールは公募回ごとに変わりますので、必ず最新の公募要領をご確認ください。また、対象になるかどうかは個別事情により異なりますので、判断に迷う点は専門家にご相談ください。
TORUTEは熊本市・八代市を中心に、事業承継やM&Aのご相談をお受けしています。「補助金が使える場面なのか知りたい」「次の公募に間に合うか確認したい」といった段階のご相談でも構いません。お気軽にご相談ください。
M&Aの仲介手数料に補助金は使える?~事業承継・M&A補助金『専門家活用枠』の対象と申請の流れ~
2026/08/19 08:43|カテゴリー:事業承継、補助金・助成金

こんにちは。熊本の事業承継・M&AコンサルティングファームのTORUTE(トルテ)です。
「会社を譲りたいが、仲介会社やアドバイザーに支払う費用が読めない」「専門家に頼むほどの体力が、いまの会社にあるだろうか」。M&Aを検討し始めた経営者の方から、こうしたご相談をよくいただきます。実は、M&Aのときに専門家へ支払う費用の一部は、国の補助金で手当てできる場合があります。それが「事業承継・M&A補助金」の専門家活用枠と呼ばれる枠組みです。今回は、この枠がどんな費用を対象にしているのか、申請はどう進むのか、そして使うときに注意したい点を、熊本の相談現場の視点で整理します。

結論:M&Aの専門家費用は、補助の対象になり得る
先に結論からお伝えします。事業承継・M&A補助金には、経営資源を引き継ぐ側・引き継がせる側の双方が使える枠が用意されており、そのうち専門家活用枠は、M&Aの成立に向けて外部の専門家へ支払った費用を対象としています。売り手(譲渡側)でも買い手(譲受側)でも申請でき、譲渡が成立しなかった場合でも一定の範囲で認められる仕組みが設けられてきました。
補助率や補助上限額、対象となる期間は公募回ごとに見直されます。金額の目安だけで判断せず、必ずその回の公募要領で確認することが前提になります。それでも「専門家費用は自己負担しかない」と思い込んだまま検討をやめてしまうのは、選択肢を自ら狭めることになります。
対象になる費用・ならない費用
おおまかに言えば、対象になるのはM&Aを前に進めるために外部へ支払う費用です。仲介手数料やファイナンシャル・アドバイザー(FA)への報酬、企業概要書の作成やバリュエーション(企業価値評価)にかかる費用、デューデリジェンス(買収監査)の費用、契約書のリーガルチェック費用などが典型例です。
一方で、社内の人件費、日常的な顧問料、会社の運転資金や設備の購入費用といった、M&Aと直接結びつかない支出は対象外とされるのが一般的です。また、支援機関の登録状況など、依頼先に関する要件が設けられている場合もあります。「誰に払ったか」「何のために払ったか」の両方が問われる、と考えておくとイメージしやすいでしょう。
申請の流れ:交付決定の前に契約しないこと

実務で最も多い失敗が、交付決定を受ける前に契約や支払いを済ませてしまうケースです。補助金は原則として、交付決定後に発生した経費が対象になります。話が動き出してから慌てて申請しても間に合わないことがあるため、専門家に依頼する段階から補助金の利用を視野に入れておく必要があります。
gBizIDプライムの取得には一定の日数がかかりますので、検討を始めた時点で準備しておくと安心です。認定経営革新等支援機関や登録支援機関との関わり方も、公募回によって求められる内容が異なります。
使う前に確認しておきたいこと
補助金はあくまで費用の一部を後から補うものであり、いったんは自社で立て替える必要があります。資金繰りへの影響を見込んでおきましょう。また、採択されなかった場合にM&A自体をどうするのか、あらかじめ方針を決めておくことも大切です。「補助金が通ったら進める」という前提だと、相手先との交渉が止まってしまいます。
さらに、補助金には実績報告や証拠書類の保管といった事後の手続きが伴います。見積書・契約書・請求書・振込記録の整合が取れていないと、対象と認められないこともあります。書類は最初から残す前提で進めてください。
まとめ
事業承継・M&A補助金の専門家活用枠は、M&Aの専門家費用の負担を軽くする有力な選択肢です。ただし、対象経費の範囲、交付決定前の契約の扱い、補助率や上限額といった要件は公募回ごとに変わります。ご検討の際は必ず最新の公募要領をご確認ください。
TORUTEでは、熊本市・八代市を中心に、事業承継やM&Aのご相談をお受けしています。補助金を使えるかどうかは会社の状況やスケジュールによって異なりますので、「うちの場合はどうか」という段階からで構いません。判断に迷われる点があれば専門家にご相談いただき、その一つとして当社もお気軽にご相談ください。
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